2013年10月3日木曜日

Hoe Va'a Voyaging Moku Nui (大島)

まだまた、Hoe Va'a Voyaging 弓ヶ浜240キロの旅 の話しが終わってないのに・・・

ハワイのKonaのレースに行ってきたりしているうちに・・・・

いつのまにか、伊豆大島まで往復する。Hoe Va'a Voyaging Muku Nui が終わってしまいました。

Moku Nui はハワイィ語で Big Island のこと、そうです、日本語で大島という意味です。
日本には沢山の場所に大島と呼ばれる島がありますが、湘南エリアに住む人にとって、大島と言えば伊豆大島のこと、相模湾内にある、葉山からだとおよそ60キロおきにある島です。

1986年にも噴火した活火山でもある三原山が島の中央にそびえ立つ、伊豆諸島の中で一番大きな島。というところも規模は違うけど、ハワイィのBig Island (ハワイ島)Moku Nui にそっくりです。


現代人は、テレビやパソコン画面や、スマートフォンや携帯の画面、時計や時刻表ばかり見て生活している。
海に頻繁に出かける人でも、ほとんどが波打ち際の波や、うねりの形にしか興味はいかないと思う。
でも、古代人、太古の人達、僕らのKupuna、先人達は、いつも上空の雲や空の色、星や月、沈む夕陽や、昇る朝陽、虹の形をみて、その時々の移り変わる色や空気を感じながら、それら自然が語りかける声や意味を感じながら生きていた。
地球の息吹に畏敬と慈しみを感じて生きていた。
そして、この辺りの海辺近くに住む人たちにとって、遠くに見える島、は特別なものだったんだろう。
さまざまな気持で、遠くに見える島を見て、またその先にあるであろう、見えない島々に想いをはせていたんだろう。 
今と違い、空気がいつも澄んでいて、高い建物も家もないから、いつもどこからも大きく広がる海が見え、その向こうに大島が見えてた。

 
中秋の名月の明かりに導かれて舟出。 そして東からE Ala E




太古の先人達が想いをはせるMoku Nui(大島)とその間にある海峡に、海洋民族の末裔の俺たちが興味を示すのは当然のなりゆきで自然な流れだった。

太古の先人達は、科学技術や文明に毒され侵された現代に生きる俺たちよりも、はるかに叡智の人達で、僕たちが想像できないほどの優れた能力を持っていた。

大島までの海峡を渡るのは何時がタイミングがいいのか?
風、潮流、天気、・・・・自然の変化を数日先まで予想できた彼らは、ほんの60キロ程離れた見える島への海峡横断は、そんな大変なことではなく、絶妙のタイミングで潮に乗り風に押されて、難なく渡っていたのだろう。


 大島を背に、帰路につくが追い風なのに向い潮、なかなかスピードが出ない。


今回の大島への海峡横断、Hoe Va'a Voyaging Moku Nui
この海峡を渡るのは何度目だろう??
OC-1で渡り、SUPで渡り、6人乗りカヌーで数回渡り・・・僕自身、何度も何度も渡った海峡だ。

今回、初めて、きっと、近年で初めて、もしかすると太古の先人達もやってないかもしれない(ていうか、そんなに日帰りするほど急ぐ生き方をしていないはずだから・・・)大島まで一日で漕いで行って帰ってくる・・・という、ことをやってみて、改めて感じたこと・・・。

黒潮の分流がながれ、潮流が複雑に変化する相模湾を漕ぐたびに思うこと、気づかされること・・・

それはいかに現代の私たちが毎日忙しく、自然の流れではなく人間がつくった時間という化け物に束縛され、コントロールされてるか、てことだった。

太古の先人達のように、風待ちして、潮待ちして・・・五感を研ぎ澄ませて、自然の声を聞き、最高の条件の日を選んで、『舟出できるタイミングが航海する時・・・』という恵まれた環境で舟出できないのが現代社会に生きる僕たちだ。
時間に追われ、陸地の常識や習慣にコントロールされた現代人たちにとっては、実際に120キロ航海することや海と調和して漕ぐことよりも以前に、たくさんの困難が立ちはだかる。
それは自分自身のスケジュールや、やらなきゃ(と思い込んでる)ことなど等・・・
ホントに可哀想なくらい忙しくて、そのために壮大で雄大で、太古の先人たちと繋がる、海と繋がる数少ないチャンスを自ら失ってしまう。

自然は待ってくれないし、遅らせてもくれない・・・常にリズミカルにそのタイミングは流れている。
導きは訪れ、去っていく・・・。 
僕ら人間はそれにあわせるだけ、頭を空っぽにして、心をピュアにして、ただ大いなる力、グレートスピリットの時の流れに合わせるだけでいいのだ。

今回のHoe Va'a Voyaging Moku Nui 大島までの往復120キロの旅は、3連休の初日、予備日にしていた21日に決行した。  最初の計画では22日だったのだが・・・。

はたして、この日が一番自然に導かれた日だったのだ。
日照時間が真夏ほどにないこの時期をあえて選んだのは、何よりも暑さを避けるため、そして、中秋の名月に照らされた砂浜で祈りを捧げ、昼間のように明るい海に漕ぎ出すことができた。
月の光と夜光虫の青白い波しぶきが幻想的に辺り一面を照らし、僕らとVa'a を導いてくれた。
海上に映る月と東の空から顔を出す太陽に感謝の気持を込めて、E Ala E。

自然現象のすべてに導かれ、風と潮にも祝福されて、夕陽に照らされた葉山に何も問題なく帰ってこれたのは、大いなる力に導かれるままに、この日を選び常に謙虚に海にむきあったから。 人間の都合や予定を中心に航海を決行しないで、ただ自然の声に耳をかたむけただけだった。




Va'a (カヌー)という太古から存在し継承されてきた舟に乗り、いにしえの祖先たちと同じ方法で海を漕いで旅することで、祖先達の霊や魂に直接触れることができる。

”母なる海” はすべの人類の過去をしっている・・・

そしてVa'a は波間に漂う遠い昔の記憶を呼び戻す 『時の語り部』。

Va'aが生きている 『時』 は、航海の時間だけでなく連綿と続く人類の”いとなみ’やその中にある ”息吹” や ”想い” に触れる 『時』。

Hoe Va'a Voyaging
”母なる海” に抱かれながら遠い記憶に心はせる 『いのちの時』


夕陽に照らされながら漕ぎ続ける。

今回の Hoe Va'a Voyaging Muku Nui の航海の模様はあえて僕のブログでは説明しません。
詳しくはOcean のブログをみて下さい。 
(こちらから→http://blog.oceanaloha.com/?eid=475


いつの日か、太古の先人達のように、仲間と一つになり、Va'a とパドルだけで、自然からの導きと自分の直感だけを頼りに大海原を、海峡を、見えない島々まで漕いで渡れるような人間になりたいな~。

とにかく・・・海をいつも感じていたい・・・。 

海に溶けてしまいたい・・・。



 オレンジ色に染まった葉山の山々、大浜が眩しかった。

3連休の3日間、伴走艇をスタンバイしてくれたエドさん、そして予備日を含め3日間の予定をオープンにしてVoyagingに望んだクルー達・・・
ご苦労様でした。 

映像を編集してくれたダイちゃん、ありがとう!


Hayama-Oshima Voyaging 20120921 from Daisuke Yokoyama on Vimeo.


今回日本のChannel(海峡)を漕いで、太古の先人たちと繋がった僕たちは、あと数日でハワイィのChannelを漕いで渡ります。 

ハワイィの海洋民族とその魂に敬意を表すために全力で臨みます。
日本の海洋民族の誇りとスピリットを胸に・・・・

皆の気持ちを僕らにおくってくださいね!

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